「どうして私だけ…」と、同じパートなのに仕事量が違うことに、もやもやした気持ちを抱えていませんか?
同じ時給で働いているのに、自分ばかりが忙しく、責任の重い仕事を任される。
周りを見れば、のんびりしている同僚もいる…。
そんな状況では、「ずるい」「不公平だ」と感じてしまうのも無理はありません。
この記事では、そんなあなたのやるせない気持ちに寄り添い、なぜ仕事量に差が生まれてしまうのか、その根本的な原因を解き明かします。
そして、不満を抱えたまま我慢するのではなく、状況を改善するための「賢い上司への相談術」を具体的にお伝えします。
少しの勇気で、あなたの働きやすさはきっと変わります。
なぜ?「同じパートなのに仕事量が違う」と感じる不公平感の根本原因
毎日頑張っているのに、なぜか自分だけ仕事量が多い…。
その不公平感には、実はいくつかの共通した原因が隠されています。
まずは、あなたの職場で何が起きているのか、その根本原因を一緒に探っていきましょう。
パートなのに正社員と同じ仕事?責任の重さと業務範囲の曖昧さ
あなたの仕事は、いつの間にか「パートの業務範囲」を超えていませんか?
勤務歴が長くなったり、仕事ぶりが評価されたりすると、上司はつい頼りがいのあるあなたに、より難易度の高い仕事や責任の伴う業務を任せがちになります。
本来であれば社員が担当するような仕事を任されているのに、時給は他のパートさんと変わらない。
これは、パートと正社員の業務範囲の線引きが曖昧になっている職場で、非常によく見られるケースです。
「できる人だから」という理由で、なし崩し的に責任だけが重くなり、パートなのに正社員と同じ仕事をこなしている状態は、大きな不満の原因となります。
そもそも、パートタイマーと正社員との間で、仕事内容が同じであるにもかかわらず、給与や手当などの待遇に不合理な差を設けることは、法律(パートタイム・有期雇用労働法)で禁止されています。
このような「同一労働同一賃金」の考え方について、より詳しく知りたい方は、厚生労働省の公式ページも参考にしてみてください。
仕事が遅い人やできない人のしわ寄せが、特定のパートに来ていませんか?
あなたの周りに、仕事のペースがゆっくりな同僚や、なかなか業務を覚えられない同僚はいませんか?
職場全体の仕事量は決まっていますから、誰かが時間内に終わらせられなかった仕事は、最終的に他の誰かが引き受けることになります。
そして、その「誰か」に、真面目で仕事が早いあなたが選ばれてしまうのです。
上司としても、仕事が滞るのを避けるために、確実に対応してくれる人に頼みたいという気持ちが働きます。
結果として、仕事が遅い人のしわ寄せがパートであるあなたに集中し、同じ時間内にこなさなければならない仕事量が、どんどん増えていってしまうのです。
「頑張り」や「性格」を理由に、仕事の割り振りが偏っていないか
あなたは「頼まれたら断れない」「つい頑張りすぎてしまう」という優しい性格ではありませんか?
上司はあなたのそんな人柄を「真面目で責任感が強い」と高く評価しているかもしれません。
しかし、その評価が、無意識のうちに不公平な仕事の割り振りにつながっている可能性があります。
「あの人に頼めば、嫌な顔せず引き受けてくれる」
「多少無理を言っても、なんとかやり遂げてくれる」
こうした上司の甘えが、あなたへの業務負担を増やし、他のパートとの仕事量の差を生み出しています。
あなたの「頑張り」や「優しさ」が、不公平感の原因になっているとしたら、それはとても悲しいことですよね。
上司が現場を把握しておらず、個々の業務量を正しく評価できていない
そもそも、あなたの上司は一人ひとりのパートが抱える仕事量を正確に把握しているでしょうか。
多くの場合、上司は複数の部下を管理しており、現場の細かい業務内容や個々の負担量まで、完全には見えていないケースが少なくありません。
上司に見えるのは「誰が、いつまでに、何を終わらせたか」という結果だけ。
あなたが他の人の何倍もの仕事を、効率よく時間内に終わらせていれば、上司からは「余裕を持って仕事をしている」と誤解されている可能性すらあります。
現場の実態が見えていないために、パートの仕事の割り振りが、知らず知らずのうちに不公平なものになってしまっているのです。
ものすごく勘違いしているパートさんなど、同僚との人間関係の問題
職場の不公平感は、上司だけでなく、同僚との関係性から生まれることもあります。
例えば、指示されたことしかやらない人、自分の仕事が終われば手伝おうとしない人、あるいは、同じパートなのに偉そうに指示だけしてくる人…。
様々な人が働く職場では、こうした人間関係のストレスも大きな問題です。
特に、一部の同僚が楽をしているように見えたり、自分だけが大変な思いをしていたりすると、「同じ時給なのにムカつく」という気持ちが募ってしまいます。
チームワークがうまく機能していない職場環境も、仕事量の偏りを生む大きな原因の一つと言えるでしょう。
「同じパートなのに仕事量が違う」不満を解消する上司への相談術と対処法
「不公平だ」と感じる原因がわかったら、次はいよいよ行動に移す番です。
ただ不満を溜め込むだけでは、状況は何も変わりません。
ここでは、同じパートなのに仕事量が違うというあなたの悩みを解消するための、具体的な相談術と対処法をご紹介します。
感情的にならず、賢く伝えることがポイントです。
まずは冷静に!自分の仕事内容と量を客観的に書き出して整理する
上司に相談する前に、まずは準備が不可欠です。
「とにかく忙しいんです!」と感情的に訴えるだけでは、上司には状況がうまく伝わりません。
大切なのは、「誰が見てもわかる客観的な事実」を示すことです。
まずは、自分の仕事内容を具体的に書き出してみましょう。
仕事の「見える化」リスト作成のすすめ
- 毎日の通常業務: 開店準備、レジ業務、商品陳列、清掃など、毎日決まって行っている仕事をリストアップします。
- 日によって発生する業務: 発注作業、在庫管理、新人教育、電話対応など、定期的に発生する仕事を書き出します。
- 他の人にはない特別な業務: 「あなただけが任されている仕事」は特に重要です。例えば、特定の難しいクレーム対応、リーダー的な役割、月末の締め作業など、具体的に記述しましょう。
- それぞれの業務にかかる時間: 各業務に、おおよそどれくらいの時間がかかっているかを記録します。
このリストを作成することで、あなた自身も自分の仕事量を客観的に把握できますし、上司に説明する際の強力な材料になります。
同じ給料なのに仕事量が違うと感じる根拠を、具体的なデータで示せるように準備しましょう。
相談する前に押さえたい!最適なタイミングと場所の選び方
準備が整ったら、次は上司に話しかけるタイミングです。
ここで焦ってはいけません。
相談の成否は、タイミングと場所選びで大きく変わると言っても過言ではありません。
避けるべきタイミング
- 始業直後や終業間際: 上司が他の業務で忙しく、バタバタしている時間帯は避けましょう。
- 他のスタッフが大勢いる場所: 周囲に話が聞こえてしまうようなオープンな場所では、本音で話し合うことができません。
- クレーム発生時など、職場が慌ただしい時: 緊急事態の最中に相談しても、まともに取り合ってもらえない可能性が高いです。
狙うべきタイミングと場所
- 比較的落ち着いている時間帯を狙う: 職場の状況を見計らって、上司が少し手すきに見えるタイミングを狙いましょう。
- 「ご相談したいことがあるのですが」とアポイントを取る: 「〇〇の件で、5分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか?」と、事前に声をかけておくのが最も確実で丁寧な方法です。
- 個別に話せる場所を選ぶ: バックヤードや休憩室、空いている会議室など、二人きりで落ち着いて話せる場所に移動しましょう。
丁寧なアプローチを心がけることで、上司もあなたの話を真剣に聞く態勢を整えてくれます。
【例文あり】同じ給料なのに仕事量が違う…と角を立てずに伝える言い方
いよいよ、上司に想いを伝える場面です。
ここで最も重要なのは、「不満」や「攻撃」ではなく、「相談」というスタンスを貫くことです。
感情的になったり、他人を非難したりするような言い方は絶対に避けましょう。
これはNG!悪い伝え方の例
- 「〇〇さんばっかり楽してずるいです!同じ時給なのにおかしいじゃないですか!」(他人を非難する言い方)
- 「もう無理です!仕事が多すぎて限界です!」(感情的に追い詰める言い方)
- 「どうして私にばかり仕事が集中するんですか?」(上司を問い詰める言い方)
これでは、上司は防御的な姿勢になってしまい、建設的な話し合いにはなりません。
こう伝えよう!角が立たない賢い伝え方の例文
【切り出し方】
「お忙しいところ恐れ入ります。今、業務のことで少しご相談したいことがあるのですが、よろしいでしょうか。」
【本題の伝え方:例文1(業務量の多さを伝えたい場合)】
「ありがとうございます。実は最近、担当している業務量について少し悩んでおりまして…。こちらが今私が担当している業務の一覧なのですが、特に〇〇の作業に時間がかかってしまい、他の業務が少し圧迫され気味に感じています。もし可能であれば、業務の進め方や分担について、何か改善できる点がないかご相談できればと思いました。」
(ポイント:客観的なリストを見せながら、「相談」という形で問題を提示する)
【本題の伝え方:例文2(責任の重さについて伝えたい場合)】
「ありがとうございます。現在、〇〇という責任のある仕事も任せていただき、大変やりがいを感じております。ただ、その一方で、パートという立場での責任の範囲について、一度確認させていただきたいと思っておりまして…。今後のためにも、どの範囲まで私が判断して良いのか、改めて教えていただけますでしょうか。」
(ポイント:感謝の意を示しつつ、「確認」という形で責任範囲の曖昧さに言及する)
「困っている」「相談したい」という姿勢で話すことで、上司も「力になってあげよう」という気持ちになりやすくなります。
不満を伝えるだけでなく、具体的な業務改善や代替案も用意する
ただ「仕事量を減らしてほしい」と要求するだけでは、単なる不満と捉えられかねません。
一歩進んで、「どうすればもっと良くなるか」という改善策をあなた自身が提案することで、上司からの評価は格段に上がります。
提案の具体例
- 業務の標準化を提案する: 「この作業は、人によってやり方が違うようなので、マニュアルを作成しませんか?そうすれば、誰が担当しても同じ時間でできるようになると思います。」
- 役割分担の見直しを提案する: 「もし可能であれば、私が担当している〇〇の業務を、△△さんと分担させていただけないでしょうか?そうすれば、私は□□の業務にもっと時間をかけられ、全体の効率が上がると思います。」
- 新しいツールの導入を提案する: 「この手作業の部分は、簡単なツールを使えば自動化できるかもしれません。少し調べさせていただけないでしょうか。」
このように、「自分も職場のために考えている」という姿勢を示すことが非常に重要です。
あなたの提案が、職場全体の生産性向上につながるきっかけになるかもしれません。
それでも改善されない時に考えるべき、自分のための最終手段
勇気を出して相談したにもかかわらず、残念ながら状況が全く改善されない…。
そんな場合は、自分自身の心と体を守るための次のステップを考える必要があります。
我慢し続けることだけが、解決策ではありません。
① 自分の働き方を変える
まずは、自分自身の意識を変えてみるという方法です。
- 「できないこと」は勇気を持って断る: 「申し訳ありません、今はこの作業で手一杯なので、後ほどでもよろしいでしょうか?」と、自分の限界を正直に伝える練習をしましょう。
- 完璧を目指すのをやめる: 常に120%の力で頑張るのではなく、80%くらいの力で、持続可能なペースで働くことを意識してみましょう。頑張りすぎは、時として自分を追い詰めてしまいます。
② 異動や担当業務の変更を願い出る
もしあなたの会社に他の部署や店舗があるのなら、環境を変えるというのも一つの手です。
人間関係や特定の上司との相性が原因である場合、部署を異動するだけで、驚くほど働きやすくなることがあります。
③ 新しい職場を探す(転職)
何をしても状況が変わらず、心身のストレスが限界に達しているのなら、その職場はあなたにとって「いるべき場所」ではないのかもしれません。
あなたの頑張りを正当に評価してくれる職場は、必ず他にあります。
退職や転職は、決して逃げではありません。
あなたがあなたらしく、気持ちよく働くための、前向きな選択肢の一つです。
今の経験は、次の職場で必ず活かすことができます。
自分を大切にすることを、決して忘れないでください。
まとめ:「同じパートなのに仕事量が違う」と感じたら、一人で抱え込まないで
「同じパートなのに仕事量が違う」という不公平感は、決してあなただけの悩みではありません。
仕事ができる人だから、断れない性格だから…様々な理由で、いつの間にか負担が偏ってしまうことは、多くの職場で起こり得ることです。
しかし、その「ずるい」「ムカつく」という感情を我慢し続ける必要はありません。
大切なのは、感情的に不満をぶつけるのではなく、客観的な事実を元に「相談」という形で上司に伝えることです。
この記事でご紹介したように、事前に自分の仕事内容を書き出して整理し、冷静に話せるタイミングを選んで、賢くあなたの状況を伝えてみてください。
あなたの少しの勇気が、職場環境を改善する大きな一歩になるかもしれません。
それでも状況が変わらない場合は、自分自身を守るための最終手段を考えることも忘れないでください。
あなたが我慢することなく、正当に評価され、気持ちよく働ける場所は必ずあります。
一人で抱え込まず、まずはできることから行動に移してみましょう。
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